構造改革 2006 5 7

 構造改革は必要なことですが、
今、日本で進行している「構造改革」には、民主主義の危機を感じます。
 明治維新に匹敵するかもしれないような、大改革が、
国民的なコンセンサス(合意)のないまま進行していることです。
 つまり、一部の学者や政治家が、
国民的な合意形成がないまま、あるいは、説明責任を放棄して、
重要な政策を勝手に決め、「お上が決めたから国民は従え」という方式で、
政府を運営しているように見えます。
 一方、国民にも、重大な責任があります。
明治維新に匹敵するような大改革が進行中なのに、
娯楽、グルメ、ファッションに夢中になっている国民が多いのです。

構造改革 structural reform 2005 7 8
 構造改革とは、都市対地方の対立でもあります。
外国に行けば、わかるように、外国では、都市と都市の間には、
人家もない、無人の広大な土地が広がっています。
この方が、経済効率がいいのです。
 それに対し、日本は、山間部を除けば、
均等に、人口が広がっていると言えるでしょう。
これは、今まで、国土の均等な発達を目指してきたからです。
 構造改革とは、今までの「国土の均等な発達」ではなく、
外国のような経済効率性を求めるものです。
 どちらも、誤りではありません。
誤りと言えるのは、こうした重大な方針を決定するに際して、
一部の政治家や学者が決めていることです。
 これでは、「お上が決めたから、国民は従え」ということになります。
こうした重大な方針を決定するには、国民的な合意が必要です。
「構造改革 structural reform 2005 7 17」
 日本における構造改革は、外国の構造改革とは、違います。
外国の構造改革とは、不況や不景気を克服するために行う改革です。
 しかし、日本の構造改革は、違います。
日本社会は、そして日本の社会制度は、
人口構造がピラミッド型であることを前提として、成り立っているのです。
 ところが、少子高齢化の進行によって、
人口ピラミッドが、ひっくり返りつつあるのです。
 こうした少子高齢化社会に、
日本社会や日本の社会制度を適応させるために、構造改革があるのです。
 しかし、多くの国民は、構造改革のことを、
道路公団改革や郵政改革のことだと思っているのです。
 これは、政府の説明不足の点もあるでしょうが、
国民の側にも責任があります。
 今、日本は、重大な転機を迎えているのです。
それなのに、多くの国民は、それに気づかず、
日々の娯楽、グルメ、ファッションに夢中になっている現状があるのです。
 高度成長時代や安定成長時代は、そうしたものに夢中になっていても、
問題はなかったのですが、今は、時代が違います。
 転機に立つ日本、分水嶺の上に立つ日本。
これほど、重大な時代は、明治維新以来です。




































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